冬の雨

窓を開けると雨
しっとりとした雨
冬の雨は嫌いだ
梅雨の紫陽花の映える雨や
秋の紅葉に落ちる雨は好きなのに
だけど冬の雨は
手にしただけで淡く消える
白い雪の儚さには到底及ばない
そう思ってた
ただなんとなく雨の中を歩いた
冷たい空気が頬を刺し
白い息が口からこぼれた
その息の向こうに
雨に霞む町並みが広がる
冬の雨も悪くない
そう思えた