薄ら寒いものを感じる

こちらも久々な漫画カテゴリー。

先日、「げんしけん」で有名な木尾士目先生が現在アフタヌーンで連載している「ぢごぷり」のコミックス第1巻が発売されました。アフタヌーンの漫画大好きっ子な私も、例に漏れず購入した次第。

ぢごぷり(1) (アフタヌーンKC)

ぢごぷり(1) (アフタヌーンKC)

ストーリーを簡単に説明するなら、双子の姉妹の子育て奮闘記ですかね。赤ん坊「夢子」を生んだ姉である「あゆみ」と、妹の「かなめ」が一緒に育児に頑張るという話なのかな?表紙を見る限りは物凄いほのぼのストーリー物に見えますが、内容は真逆。物凄いリアル思考の子育て物です。読んでて辛くなること多数。

この1巻に乗っている内容には、「子育てって素晴らしい!」って思わせる要素はほぼ無いです。子育てがどれだけ辛いものかということを、これでもかと描いてる。「お母さんの頑張りは報われた?」と思える話もあるんですが、その後すぐに帳消しになりますし。

赤ん坊がまだ生後一ヶ月にもなっていないし、若干18歳の姉妹だけで育てているという状況から、どうしても大変な自体に陥り易いってのはありますが、それでも子育ての過酷さが半端無いってが痛いくらい感じられます。自分の親もこんな思いをしながら自分を育ててくれたのかと思うと、読んでて本当に感謝したり申し訳なくなったり。

後半、あゆみがどんどん憔悴していって、ノイローゼに伴う育児放棄一歩手前くらいになってしまうんですが、その過程が怖いのなんのって。

あゆみはいわゆる清純キャラなんですが、そういう人が壊れていくのは本当に怖い。セリフとかもなかなかエグイものも多いです。目が濁っていく様には背筋が寒くなりました。

読み終わって、タイトルの「ぢご」は「地獄」の意味なんだと気づきました。なるほど、確かにこの状況は、あゆみから見れば地獄でしょうね。ただ、こういう風な状況を見ると、私にはどうしても「何故生んだ?」って思いが出てきてしまいます。

あゆみの行動にはかなりイライラしたし、「親なんだろ?生んだからにはしっかり覚悟を決めろよ」と言いたくなってしまいました。大変なのは分かるけど、たった1ヵ月も経ってないのにこれじゃもうどうしようもないんじゃないの?とか考えてしまいましたよ。こう簡単に言えてしまうのは、私が子育ての苦労を知らないからなんでしょうけどね。

それと、夢子の父親は誰なんだと疑問になりますが、最後に収録されてた話で父親であろう人物が出てきます。あの感じだと、既に死んでいるんだろうなぁ。それはそれでまた納得いかない気分にもなるんですが。それに、姉妹の親が一切出てこないのも気になります。既に両親共に亡くなっているのか、あゆみが若くして子供を生んだことに怒り勘当してしまったのか・・・その辺はこれからですかね。

現状、正直言ってこの漫画が何処に向かいたいのかは分かりません。それこそしっかり子供を育てられるのかも分かりませんし。だからこそ続きが気になるので、続きを追いかけていきたいと思います。コミックス派だけどね。