小説の行方

その野球のおかげで、今日も自習時間が多かったんですが、そんな自習のときにあるクラスの男子と小説について語り合いました。彼は小説家を目指しているらしく、小説の圧倒的な知識で私を楽しませてくれました。小説をそんな風に本気で語ったことは今まで無かったので、なかなか有意義な時間を過ごせました。
その話の中で私と彼の意見がピッタリ一致したものがありました。それは今の小説家の大半は「自分の書きたい小説」ではなく「売ろうとする小説」しか書いていないということ。これは小説を愛する人間の一人としては非常に嘆かわしいことだと思います。
確かに小説で食っていくためには売れる作品が必要でしょう。でも、だからといって「売ろうとする作品」を作って何になるというんでしょう?技巧を磨かず、ただただ拙くて受けやすい作品ばかり書く、それは何か違うと思うんです。これは小説家だけの責任ではなく、分かりにくく「普通とは違う」作品は排除し、簡単で分かりやすいモノしか読まなくなった我々読者側にも非があるでしょう。悲しいことです・・・
小説に対するこの状況はもうしばらく続くと思われます。我々読者が変わらない限り、本当の意味での「小説」はなかなか現れないでしょうね。